若手・女性人材を活躍に導く心理的安全性の高め方 ⑥

若手・女性人材を活躍に導く心理的安全性の高め方④

若手・女性人材を活躍に導く心理的安全性の高め方⑤

の続きです。

衝突を好機に変える

 ところで心理的安全性の定義とは何でしょうか?心理的安全性の第一人者であるハーバードビジネススクール教授のエイミー・C・エドモンドソンの定義から引用すると、「対人関係のリスクをとっ ても安全だと信じられる職場環境であること」とされています。対人関係のリスクとは「無知」「無能」「邪魔」「ネガティブ」と思われること。また意義ある考えや疑問や懸念に関して率直に話しても大丈夫と思える経験ともいえます。また心理的安全性は職場の仲間が互いに信頼・尊敬・率直に話し合いができると思える場合に存在すると定義しています。

 この心理的安全性が整った状態の解釈は多様にありますが、私自身は「働くメンバーが安心して自分らしくいられて自由に本音で話せる(良し悪し交えて)状態」と解釈しています。

この状態が整っていくにつれて、チーム内では良い悪い両方の情報も共有します。悪いこととはチームの課題、ミスや不都合な現実、不平不満、愚痴などが挙げられます。これらの要因はいわゆる毒素や老廃物と置き換えることができます。

 人体でいえば、毒素や老廃物が表出されると、一時的に好転反応で体調を崩したりします。これは健全な状態に向かっていくうえで必要なプロセスです。

 チームも同じで一時的にチームに不協和音が発生します。それはメンバー間の衝突という形になります。衝突をすることは健全なチームを形成するうえで重要です。その衝突の時期にチームが崩壊するか、連帯感が生まれるかがポイントになります。そこで心理的安全性を整えていくことが重要な役割を果たします。

 この好転反応の時期を乗り越えて連帯感が生まれると、本音でいろいろ話しやすくなり、建設的な衝突をすることができる状態が生まれます。これはチームの心理的 安全性が整い高まっている状態と いえます。

焦らず慌てず諦めず

 心理的安全性が高まればチームの状態は良い方向に変化します。 しかしすぐにではなく、時間がかかります。

  人体でいえば体質改善に近いイ メージです。体質改善するには相応の労力と時間がかかることは容易に想像できるでしょう。それがチームや会社の体質改善となるとより一層時間と労力がかかります。しかしその苦労を乗り越え心 理的安全性が高まった状態になると、多くのメリットを享受することができます。

 次回は、心理的安全性を高めることで得られる最大のメリット「本音で話せる」環境づくりをテーマに、お話ししたいと思います。

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この記事を書いた人

28歳の時に保育園経営者として独立。
保育園時代は陰で「パワハラ大王」と呼ばれ、従業員との関係性やチームビルディングに苦しむ。そこから自分の在り方を変えるとともに、組織の心理的安全性を高める取り組みを進めた結果、劇的な組織風土の改善に成功する。

心理的安全性の仕組化を社内で構築して、会社のシステム化に成功。3年間で売り上げ5倍、従業員数3倍以上を心理的安全性を高めながら成功。その後会社を教育系上場企業に譲渡する。

現在は「本音で話せる」をテーマに、心理的安全性や組織風土改善の教育、指導を実践している。

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